ワークショップ
8月22日(木) 13:00~18:00 前橋テルサ
大会ワークショップのご案内
本大会ではワークショップを企画しております。お申し込みの際は、申し込み書に第3希望まで必ずお書きください。申し込み状況により、受付を締め切るコースが出てくる場合がございます。
本WSは臨床心理士資格取得後の教育・研修機会として申請予定です。
1 |
ワークで理解する感情モニタリング法 |
大多和二郎(サンテコンサル横浜) |
今回のワークショップでは、感情モニタリング法をデモ、ワーク中心に体験していただきます。第一回環太平洋ブリーフサイコセラピー会議(1995)で日本生まれのブリーフセラピーとして発表したステージ6までの練習段階のうち、まずは、ウォーミングアップ練習「触覚をただそのまま味わう」つまり、言語化・概念化をしないでただ感じるというワークから始めます。そして、感情モニタリング法が生まれるまでの歴史、臨床事例とクライエントの変化の様子をご紹介します。ワークは技法理解にとどまらず、参加者のセフルケアにもなる楽しいものにしたいと思っています。
<参考文献> ブリーフサイコセラピー研究Ⅱ「感情モニタリング法」P.130~P.142(1993)
【定員12名】 |
2 |
学校における“解決志向アプローチ”:肯定する力、「変わる」力 |
黒沢幸子(目白大学、KIDSカウンセリング・システム) |
学校において、もっとも望む未来や解決の姿は何か。既にある力やリソース、小さな成功の実例(例外)は何か。解決志向アプローチは、常にそこに視点を向け、ぶれずにいることが本懐です。焦ることなく、対話への信頼によって、丁寧に、解決をともにつくり出していくものです。子どもや保護者への相談対応、誰もが通いたくなるクラス作り、いじめ防止対策、教員研修、子育て支援、虐待予防等、学校や子どもの心を育てるあらゆる場面で役立てられ、成果を挙げています。「もっと早く“解決志向”に出会いたかった!」多く方々からいただく言葉です。ワークを交えて進めます。“解決志向”の初心者もベテランも大歓迎です。
【定員70名】 |
3 |
エリクソニアンアプローチ |
中野善行(なかのクリニック)/ 岡留美子(岡クリニック) |
ブリーフセラピーはミルトン・エリクソンの臨床実践が源流となっていることを皆さんよくご存じと思います。家族療法、システムズ・アプローチ、ソリューション・フォーカスト・アプローチ、神経言語プログラミング、もちろん現代催眠も。それぞれの流派を立ち上げた治療者たちは、エリクソンの治療を学び、エリクソンの真髄を把握してさらに編集し、それを発展させてきました。エリクソン抜きでブリーフセラピーを語ることはできません。
このワークショップではエリクソンを伝説・神話化することなく、数々のエピソードを紹介しながら、エリクソンへの理解を深める機会を提供できたらと思っています。
【定員40名】 |
4 |
こころとからだを整える「ソマティック・エクササイズ」 |
宮﨑昭(立正大学) |
こころとからだに興味があるけれども、動作法とかマインドフルネスってなにか難しいと感じている方にも、分かりやすく学んでいただけるワークショップです。特に、発達障害やACEs(逆境的児童期体験)による困難を抱えた人について、次の内容を体験的に学びます。
1.こころとからだの発達に関する「環境と身体の相互作用モデル」
2.発達障害やACEs(逆境的児童期体験)のある人の心理
3.動作法とマインドフルネスの実践から開発した「ソマティック・エクササイズ」の理論と方法
4.発達障害やACEs(逆境的児童期体験)のある方への実践
参加された皆さん自身が、自分のこころとからだを整えることができるように、理論と演習を組み合わせて進めます。
その他
「むち打ち症」や「リュウマチ」などの身体疾患がある方には、無理のない形での実習をお願いしていますが、実習に参加して体調を崩すことがないように自己管理をお願いいたします。
【定員30名】 |
5 |
家族療法入門-関係を理解し、扱う- |
中野真也(心理技術研究会) |
家族療法の有用性は、システムとして家族を見なし、その相互作用(関わり)を捉える視点にあります。クライエントや家族・関係者の関わりを動的に理解し、治療的な変化へと扱うことで、多様な変化の可能性へとセラピストの視界が拡がります。システミックな家族関係の理解は、システムズアプローチの核と呼べるものです。
本ワークショップでは、家族関係を題材に、関係を中心に捉えること、関係・関わり方を変えることとその効果、関係を扱うことでの変化の可能性の拡がりなどをテーマとします。これまでにない形で端的に提示しながらワークを行い、参加者の臨床実践へと活かせる機会にしたいと思います。
【定員40名】 |
6 |
対話文化の醸成に向けて |
白木 孝二(Nagoya Connect & Share)/ 長沼 葉月(首都大学東京) |
オープンダイアローグ(OD)、アンティシペーションダイアローグ(AD)とダイアローグ実践への関心が様々に広がっています。
ただ、研修会などでよく聞かれるのが、医療や教育、福祉などの現場において、スタッフ間、組織間でのダイアローグができていない、困難な状況にあるという声です。臨床現場での対話実践の前に、まずもって自分たち(スタッフ、組織)間でのダイアローグが、必要とされている、ということです。
ワークショップでは、OD、AD、そして早期ダイアローグ(ED)をリソースに、チーム、職場、あるいは組織(の一員)としてダイアローグ文化(関係、環境、風土)の醸成に向けての、オープンなダイアローグの場、時間にしたいと思っています。
【定員35名】 |
7 |
ブリーフサイコセラピーからみた条件反射制御法入門(研修委員会企画) |
長谷川明弘(東洋英和女学院大学)/
平井愼二(下総精神医療センター)/
長谷川直実(デイケア ほっとステーション) |
ブリーフサイコセラピー(Brief Psychotherapy)は、心理療法の各モデルを実践家が適用する中で、効果的で効率的な支援を試みようとする臨床哲学を伴った精神療法の総称です。今回は、条件反射制御法(CRCT;Conditioned Reflex Control Technique)を取り上げてブリーフサイコセラピーの観点を織り交ぜながら、その入門編とする研修を研修委員会が企画しました。
条件反射制御法は、パヴロフの条件反射学説(信号系学説とも呼ばれる)を理論的基盤とし、2006年に下総精神医療センターの平井愼二が開発しました。当初CRCTは、薬物乱用者に対して実施されましたが、その後性的逸脱行動、盗癖、リストカット、抜毛癖、強迫性障害、病的賭博、ストーカーなど、様々な繰り返す嗜癖行動へ適応を広げてきました。
本研修会では、まずブリーフサイコセラピーの概説を行った後、本企画の主題となるCRCTを取り上げてその基盤となる理論と技法の概要を解説し、皆さんが臨床現場で出会うことが多い、アルコールやギャンブルの問題などへのCRCTの実践法について演習を交えてお伝えし、随時ブリーフサイコセラピーの観点で捉えた場合の工夫などを織り交ぜての研修を予定しております。
【定員70名】 |
8 |
実践・質的研究-M-GTAの考え方と分析方法- |
木下康仁(聖路加国際大学) |
質的研究は多様な個別的質的研究方法を用いた研究の総称であるが、さまざまなヒューマンサービス領域において多くの研究がなされるようになった。しかし、質的研究の理解と実践が深まったかというとむしろ全体の輪郭は依然として、あるいは今まで以上にあいまいであるといえる。
このワークショップでは、代表的な質的研究法の一つとされるグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を批判的に検討し、抜本的に再編した修正版、M-GTAを例に現在における質的研究の可能性を検討する。M-GTAは研究する人間を方法論化することで、臨床実践の理論化だけでなくその成果を実装化する、研究と実践/応用の運動的統合化を目指す。
質的研究法の理解には経験的学習が重要となるので、ワークショップではデータ分析の基本作業の実習を行う。
※本ワークショップ参加にあたっては、事前課題がございます。
当日は、指定された「事前課題文献」をお読みの上、ご参加ください。
事前課題文献
『ライブ講義M-GTA:実践的質的研究法』木下康仁著、弘文堂、2007
参考文献
『質的研究と記述の厚み:M-GTA・事例・エスノグラフィー』木下康仁著、弘文堂、2009
【定員20名】 |
9 |
ボディ・マインド・リスニング:身体感覚に着目した心理面接の基礎訓練 |
小関哲郎(宇佐病院・大分記念病院) |
私たち臨床家はその成長の過程で様々な治療モデルに学びますが、どのようなモデルでもマニュアル通りにやるだけではうまくいかず、治療者自身の感覚で技法を使いこなすことが必要となってきます。では、その臨床に必要な「感覚」はどうすれば養えるのでしょうか。私は、心理面接を初めて学ぶ大学院生との14年のワークの経験から、体の感覚に目を向けることがその鍵となり、そこで身に着く「身心感覚」があらゆる臨床活動の基盤となり得ることを学んできました。当日はこの方法の概要といくつかの代表的なワークを紹介したいと思います。面接を学び始めた方だけでなく、中堅のセラピストや面接を教える立場にある方の参加もお待ちしています。
【定員26名】 |
(以上、敬称略)
8月25日(日) 10:00~16:00 群馬会館
特別ワークショップのご案内
本WSは臨床心理士資格取得後の教育・研修機会として申請予定です。
The Practice of Evocative Approaches to Hypnosis and Brief Psychotherapy
催眠およびブリーフサイコセラピーへのevocativeアプローチの実践
~無意識を呼び起こし、目覚めさせるアプローチ~ |
Jeffrey K. Zeig博士(アメリカ ミルトン・H・エリクソン財団所長) |
講師紹介
ジェフリー・K・ザイク(Jeffrey K. Zeig) 博士
アメリカ ミルトン・H・エリクソン財団所長。
1947年生まれ。博士はアメリカ ミルトン・H・エリクソン財団を創設者であり所長である。
20冊以上の本を編集、共同編集、そして著し、それらは12カ国語に翻訳されている。
The Evolution of Psychotherapy Conferences や Brief Therapy Conferences、Couples Conferences、International Congress on Ericksonian Approaches to Hypnosis and Psychotherapy の企画者であり、アメリカアリゾナ州フェニックスにて心理学者として、結婚療法、家族療法の臨床家として個人開業しつつ、40カ国以上の諸外国でワークショップを行ってきた。
Zeig, Tucker & Theisn, Inc., という行動科学分野の出版社の社長を兼任している。
<主な日本語訳本>
ミルトン・エリクソンの心理療法―出会いの三日間(中野 善行・青木 省三監訳 二瓶社)
ミルトン・エリクソン―その生涯と治療技法(中野 善行・虫明 修 訳 金剛出版)
ミルトン・H・エリクソン書簡集(田中由美子訳 二瓶社)
ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー(成瀬悟策監訳 宮田敬一訳 星和書店) 等
【定員400名】 |